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9月, 2019の投稿を表示しています

むしろ編み(ギルバート諸島。ノーマンビー島。)

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   皆様、こんにちは。今回は、編み物をテーマにECフィルムを紹介していきたいと思います。舞台はギルバート諸島のノヌーティ環礁(Atoll Nonouti)と、ノーマンビィ島(Normanby Island)です。ノーマンビィ島は、パプアニューギニアに位置する島ではありますが、前回紹介したアイボム族が住む、セピク川からもかなり離れた場所となっております。まずは、ノーマンビィ島で撮影されたE821「座りむしろ編み」を紹介していきたいと思います。 (画像1)E821 01:45   上の画像は、座りむしろを作る材料となるパンダナスの枯れ葉を拾っている様子です。パンダナスはタコノキとも呼ばれるようですが、日本ではあまり見ないような根の形が、非常に目を引く植物。初めて見ると、結構衝撃的ですよね。 (画像2)E821 07:09  画像1で集めたパンダナスの葉の皮を剥ぎ、丸めた後は、ハンマーのようなものを使って均等に叩いていきます。平らな石の上に、丸めたパンダナスの葉を押し付け、少しずつずらしながら、ぺちゃんこになるまで叩いています。こうして均した葉を、今度は手や、刃のついた道具を使って六等分にして準備完了です。 (画像3)E821 16:33  画像3は、六等分したパンダヌスの葉を編んでいる様子です。二枚重ねた葉を1セットとして、互いに交差するように編みこんでいきます。確かに、丸めたり叩いたりしていなければ、こんがらがって大変なことになりそうな葉の量。映像では、作業しているのは最初の女性一人だけ(たまに、子供も手伝いに来ます)。最終的には、畳より大きな座りむしろが完成しますが、かなりの時間をかけていると予想できます。 (画像4)E533 1:14  次は、ノヌーティ諸島で撮影されたE533「寝むしろ編み」です。上の画像は、集めてきた葉を、火に当てている様子。作業に邪魔となる余計な部分や、微小な毛のようなものが、もしかしたらあるのかもしれません。燻しているようにも見えますが…。  実は、この記事や研究に役立てるため、下中記念財団様から解説書をお借りしているのですが、この映像に関しては解説書がなく、はっきりとしたことが言えません。しかし、「なんでこんなことやってるの…?」と首をかしげながら、映像とにら

アイボム族のサゴヤシを使った料理(パプアニューギニア、セピク川中流域。)

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 皆さま、こんにちは。今回は、食べ物に関する映像をご紹介したいと思います。前回の舞台は、ギルバート諸島という海に近い地域でしたが、今回の舞台は、ニューギニアのセピク川中流域に住むアイボム族(Aibom)の生活を映した映像となります。  前回の記事では、タロイモを使ったパンケーキを紹介させていただきましたが、今回は、サゴヤシを使ったケーキを紹介できればと思います。使わせていただく、E1733「ケーキづくり(サゴヤシ、ココナツとバナナ)」という映像のタイトル通り、このケーキは、サゴヤシ、ココナツ、バナナを使ったもの。ココナツ、バナナは、日本でもお菓子作りに使うことがありますが、サゴヤシはなかなか聞く機会が少ないと思います。   (画像1)E1733 01:11  画像1が、ケーキに使うために皮ごと焼いたバナナになります。日本のスーパーで見る、細長いイメージとはまた違った見た目ですね。房についたバナナを、一本ずつ炉に入れていきます。白黒なのが少し悔しいですね。さらに、バナナの焦げた皮を剥きながら、スプーンやナイフのようなもので、一口サイズにちぎり、ケーキの生地に加えていきます。 (画像2)E1733 06:07 画像2は、完成したケーキを食べる子どもの様子。カメラ目線で、ECフィルムでは珍しく撮影者の存在も感じる一枚ですね。完成したケーキは、男によってナイフで切られ、周りの男性や子供たちに配られます。その間も少し粉っぽいようで、ボロボロこぼれています。 (画像3)E1734 01:54  さて、上ではサゴヤシ料理と書いていますが、実際に料理に使っているのはサゴでんぷんと呼ばれるものになります。上の画像のように、壺の中にサゴヤシからとれたサゴでんぷんの塊が入っており、それを皿や杵で砕いて粉状にしています。このように、保存がきくのもサゴでんぷんの長所だそう。 (画像4)E1734 03:44  サゴでんぷんの料理は、上で紹介したケーキの他にも、焼き台に水を加えながら薄く延ばして作る平菓子や、塊のまま焼いて食べる片焼きなどがあります。画像4で、粉状のサゴでんぷんを薄く広げている焼き台は、ケーキを焼く際にも使われました。基本的には、水を加えた生地を焼いて食すのが、多いようです。  普段耳にしない

テトゥア村の調理、食事(ギルバート諸島、ノヌーティ環礁。)

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 皆さま、お久しぶりです。前回の投稿から、大変間が空いてしまいましたが、今まで見させていただいたECフィルムの紹介を、今日から少しずつ上げていきたいと思います。更に、今回は数ある中でも、食べ物に関するECフィルムを紹介します。  今回紹介させていただく映像は、ミクロネシア、ギルバート諸島という、太平洋の島々で撮影されたものになります。E852「若いココヤシの収穫と食事」では、ノヌーティ環礁(Nonouti atoll)での生活における、ココヤシの役割が映像として収められています。 (画像1)E0852 01:26  ヤシの木は、サンゴ礁のような貧しい土壌でも、約25mにも及ぶ高さまで成長するようです。画像1に映っている男性は、果実のなっているヤシの木のてっぺんまで登り、ココナツを落としたあとに、まとめて拾っている様子です。特に緑色のヤシの実は、飲料用に適しているようです。また、後ろに自転車をこぐ男性が写りこんでいるのが、少しシュールですね。 (画像2)E0852 04:48  また、果実のほかにヤシ汁という形で、ヤシの木は持ち主に利用されるようです。画像2のように、新芽を途中で切り落とし、ひもで縛ることで、ヤシ汁を採取することができます。ヤシ汁の使用法は、シロップ、酒、乾燥期の飲み物など多岐にわたるようです。 (画像3)E0860 02:18  E0860「タロイモ料理」でも、ヤシ汁から作られたシロップが使われています。甘味料として使われるというのもあり、調理している女性の周りには、虫が飛んでいます。画像3は、とても固いタロイモを、石サンゴで潰したあと、ココヤシの果肉、ココナッツミルク、そしてヤシ汁のシロップを加え、シャコガイの器でこね合わせている様子です。 (画像4)E0860 10:56  こね合わせたものを、ココヤシの葉で包み、地面に作った炉で焼くと、蒸しパンのような見た目のケーキが出来上がります。葉で包まれて調理される様子は、日本でも食されているちまきのよう。このパンケーキは、ブアトロと呼ばれ、特別な時にしか作られないそうです。普段のタロイモ料理と違い、生のままタロイモをつぶして作られるブアトロ、どんな味、食感がするのか気になります。  いかがだったで