アイボム族のサゴヤシを使った料理(パプアニューギニア、セピク川中流域。)


 皆さま、こんにちは。今回は、食べ物に関する映像をご紹介したいと思います。前回の舞台は、ギルバート諸島という海に近い地域でしたが、今回の舞台は、ニューギニアのセピク川中流域に住むアイボム族(Aibom)の生活を映した映像となります。

 前回の記事では、タロイモを使ったパンケーキを紹介させていただきましたが、今回は、サゴヤシを使ったケーキを紹介できればと思います。使わせていただく、E1733「ケーキづくり(サゴヤシ、ココナツとバナナ)」という映像のタイトル通り、このケーキは、サゴヤシ、ココナツ、バナナを使ったもの。ココナツ、バナナは、日本でもお菓子作りに使うことがありますが、サゴヤシはなかなか聞く機会が少ないと思います。


 (画像1)E1733 01:11

 画像1が、ケーキに使うために皮ごと焼いたバナナになります。日本のスーパーで見る、細長いイメージとはまた違った見た目ですね。房についたバナナを、一本ずつ炉に入れていきます。白黒なのが少し悔しいですね。さらに、バナナの焦げた皮を剥きながら、スプーンやナイフのようなもので、一口サイズにちぎり、ケーキの生地に加えていきます。

(画像2)E1733 06:07

画像2は、完成したケーキを食べる子どもの様子。カメラ目線で、ECフィルムでは珍しく撮影者の存在も感じる一枚ですね。完成したケーキは、男によってナイフで切られ、周りの男性や子供たちに配られます。その間も少し粉っぽいようで、ボロボロこぼれています。

(画像3)E1734 01:54

 さて、上ではサゴヤシ料理と書いていますが、実際に料理に使っているのはサゴでんぷんと呼ばれるものになります。上の画像のように、壺の中にサゴヤシからとれたサゴでんぷんの塊が入っており、それを皿や杵で砕いて粉状にしています。このように、保存がきくのもサゴでんぷんの長所だそう。

(画像4)E1734 03:44

 サゴでんぷんの料理は、上で紹介したケーキの他にも、焼き台に水を加えながら薄く延ばして作る平菓子や、塊のまま焼いて食べる片焼きなどがあります。画像4で、粉状のサゴでんぷんを薄く広げている焼き台は、ケーキを焼く際にも使われました。基本的には、水を加えた生地を焼いて食すのが、多いようです。


 普段耳にしないサゴヤシを使った料理、いかがだったでしょうか。前回のギルバート諸島と今回のニューギニア、それぞれの食べ物を見させていただいたのですが、記事をココヤシの葉で包んで焼く様子や、後ろで鶏が歩いている様子など、共通点も数多くあり、見ている私も非常に楽しませていただきました。
 次回は、またギルバート諸島に場面を戻し、ココヤシのまた違った活用法について触れたいと思います。ご興味あれば、是非ご覧ください。
(映像の百科事典 エンサイクロペディア・シネマトグラフィカhttp://ecfilm.net/filmlist/digital 

 

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