むしろ編み(ギルバート諸島。ノーマンビー島。)
皆様、こんにちは。今回は、編み物をテーマにECフィルムを紹介していきたいと思います。舞台はギルバート諸島のノヌーティ環礁(Atoll Nonouti)と、ノーマンビィ島(Normanby Island)です。ノーマンビィ島は、パプアニューギニアに位置する島ではありますが、前回紹介したアイボム族が住む、セピク川からもかなり離れた場所となっております。まずは、ノーマンビィ島で撮影されたE821「座りむしろ編み」を紹介していきたいと思います。
(画像1)E821 01:45 |
上の画像は、座りむしろを作る材料となるパンダナスの枯れ葉を拾っている様子です。パンダナスはタコノキとも呼ばれるようですが、日本ではあまり見ないような根の形が、非常に目を引く植物。初めて見ると、結構衝撃的ですよね。
(画像2)E821 07:09 |
画像1で集めたパンダナスの葉の皮を剥ぎ、丸めた後は、ハンマーのようなものを使って均等に叩いていきます。平らな石の上に、丸めたパンダナスの葉を押し付け、少しずつずらしながら、ぺちゃんこになるまで叩いています。こうして均した葉を、今度は手や、刃のついた道具を使って六等分にして準備完了です。
(画像3)E821 16:33 |
画像3は、六等分したパンダヌスの葉を編んでいる様子です。二枚重ねた葉を1セットとして、互いに交差するように編みこんでいきます。確かに、丸めたり叩いたりしていなければ、こんがらがって大変なことになりそうな葉の量。映像では、作業しているのは最初の女性一人だけ(たまに、子供も手伝いに来ます)。最終的には、畳より大きな座りむしろが完成しますが、かなりの時間をかけていると予想できます。
(画像4)E533 1:14 |
次は、ノヌーティ諸島で撮影されたE533「寝むしろ編み」です。上の画像は、集めてきた葉を、火に当てている様子。作業に邪魔となる余計な部分や、微小な毛のようなものが、もしかしたらあるのかもしれません。燻しているようにも見えますが…。
実は、この記事や研究に役立てるため、下中記念財団様から解説書をお借りしているのですが、この映像に関しては解説書がなく、はっきりとしたことが言えません。しかし、「なんでこんなことやってるの…?」と首をかしげながら、映像とにらめっこするのも、結構楽しいと、自分では思います。
(画像5)E533 5:46 |
次は、寝むしろを編み始める場面です。先ほどの映像と同じように、葉を二枚重ねて交差させていきます。工程はほぼ同じですが、ノヌーティ環礁のテトア村の例では、葉を丸めるだけで叩いたりはしていないようでした。また、材料とする葉の大きさも、こちらでは刃物で葉脈に沿うよう半分に切るだけ。きっと、材料となる植物の違いもあるのでしょう。
(画像6)E533 22:46 |
編み終わったら、はみ出た葉を、切り落としたり、網目に差し込んだりして整えます。上の画像が、完成した寝むしろの様子。大人が3人は寝れるような大きさです。こちらは、主に女性二人が作業をしていました。葉の色でモザイク模様になってるのも、結構お洒落。寝むしろというぐらいですから、屋内で使うのでしょうか。
以上で、今回の紹介を終えたいと思います。考えてみると、葉を編む場面を見ること自体、初めてかもしれません。編むと言われると、どうしても糸状のイメージが強く、非常に新鮮でした。また、地理的に距離が離れたノヌーティ環礁とノーマンビィ島でしたが、全体的な工程はかなり似通っていましたね。次回も編み物に関する映像を紹介するので、そちらとも見比べて頂けたらなと思います。では。
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