びくづくり(ギルバート諸島。フランス領ポリネシア。)

  こんにちは。早速、オセアニアのECフィルムを見ていきましょう。前回は、二種類の船について書かせてもらいましたが、海繋がりの映像ということで、びくづくりの様子をご紹介できればと思います。びくとは、取った魚を入れるための袋のようなもので、使う材料や形などはものによってさまざま。魚を捕るために使うものであるため、おなじみギルバート諸島や、フランス領ポリネシアの島々が舞台となります。



(画像1)E0818 04:45
 ギルバート諸島では、ココヤシの葉を使ってびくが作られます。編み方は「ココヤシの葉で作ろう!」でも紹介した床むしろ編みとほぼ同様で、二枚の葉の向きが違うように重ね、互いの小葉を縫うようにして編みます。違うのは、今回作るびくが立体的な籠のような形をしているという点で、小葉の根本についている軸のような部分、葉柄を円形になるように曲げ、小葉が飛び出ている両端をつなげるように編んでいきます。


(画像2)E0817 08:10
 画像2は、編む作業を終え、びくの口部分を刃物できれいに整えているシーンです。少し見づらいかもしれませんが、何層にも重ねっているように見える円形が、先ほど述べた、ココヤシの葉の葉柄部分になります。底は、小葉を閉じるように編まれているので、所謂マチ部分はほとんどなく、余った小葉は三つ編みにして縛られています。これに肩から下げるための紐をつけると、びく”クルマエネ”の完成です。ちなみに、画像1で作っていたびくは”バニエ・ニ・キベ”という名前です。


(画像3)E2356 00:59
  次に紹介するのは、E2356「びくづくり」です。舞台はフランス領ポリネシアに属するフアヒネ島。あまり聞きなれない場所だと思いますが、同じ括りとして有名なのはタヒチ島でしょうか。画像3は、男性がマチェテとハンマーを使い、竹に切れ目を入れている様子。女性が竹の端を押さえていますが、確かに普通にやったら竹が割れてしまいそうです。ものづくりの映像は、どれもすごい器用。


(画像4)E2356 05:14
 先ほど切れ目を入れた竹を押し広げ、中に、同じ竹で作った輪っかをはめ込みます。紐で固定した後、細く割った竹で、今見えている隙間を埋めていき、樽のような形のびくが完成します。同じびくづくりでも、先ほど紹介したギルバート諸島のものとは雰囲気が違いますね。使い方も独特で、浮きをつけ、びくの口側が上を向くように海に浮かべて使われます。魚を持ち運ぶというよりは、水槽のような印象です。



 いかがだったでしょうか。海関連といいながら、肝心な海の画像を用意できずにすみません。E2356「びくづくり」は、カラー映像というのもあって、広告に載っているような海を見ることができます。ご興味あれば、実際の映像も見てみてくださいね。また、竹というと、アジアで生えているという勝手なイメージがありましたが、実際に調べてみると意外と広い範囲で生えているということに驚きました。では、今回はこの辺で。次回は網特集になります。
(映像の百科事典 エンサイクロペディア・シネマトグラフィカhttp://ecfilm.net/filmlist/digital 

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