オセアニアで作られた舟(セピク川中流域。ノヌーティ環礁。)
前回は、ギルバート諸島の海を舞台に、ココヤシの葉を使ったものづくりについてまとめてみました。映像にも映っていましたが、水辺での生活において船というのは、非常に大きな要素であると言えるでしょう。そんなわけで今回は、 海に出るためのものづくり でも紹介したアウトリガーカヌーに似たいかだと、セピク川で使われているカヌーづくりの映像に関して、まとめていきたいと思います。まずは、E1372「 丸木舟づくり」を見ていきましょう。 (画像1)E1372 05:39 セピク川中流域に住む、アイボム族(Aibom)が使うカヌーは、大きな一本の丸太だけで作られます。画像1にも写っている手斧を使い、二人がかりで内側をくり抜いていきます。丸太に斧を振るうと、瓦のように層が剥がれるので、それでざっくりと船の原型が出来上がります。それから、鍬や鉋のような工具で内側や縁を仕上げていきます。想像がつくかもしれませんが、非常に時間と労力がかかる作業であり、映像自体も30分の長編です。 (画像2)E1372 23:37 画像2は、成形が終わったカヌーを焼いている場面です。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、カヌーの内側に火が付いたココヤシの葉が入っており、燃え盛っています。実際に私が見ていた時は、大分私が知っているカヌーの形に近づいてきたな、と思っていたところに、急に火をつけ始めたので、非常にびっくりしました。この後、水を吸わせたモップのようなもので火を消しながら、全体が真っ黒になるまで加工し、塗装することで完成します。 (画像3)E0832 06:34 次は、E0832「筏舟づくり」です。先ほどのカヌーのように、上部が広がっていますが、中には大量のココヤシの実が詰まっています。ちなみに、実が沢山入っているのは、ココヤシの葉で編んだ袋のようなものです。丸木舟と比べ、これがほんとに船になるの?と思われるかもしれませんが、後に海上に出た船の上で人が立っている場面が映されています。 (画像4)E0832 08:43 たくさんの実を入れた後、木の枝で骨組みを組み、アウトリガーカヌーのように、片側に浮きを取り付けます。船というと、