腰みのづくり(ギルバート諸島、ノヌーティ環礁、タビトウェア環礁。)

 皆様こんにちは。ちょっとずつ涼しくなってきましたね。ではさっそく、ECフィルムの紹介をしていきたいと思います。今回紹介する映像の舞台は、前回と同じくギルバート諸島。ちなみに、現在の地理で言うとキリバス領になりますが、撮影されたのはキリバス共和国が独立する前の1963年になります。そして、今回映像中で作ってもらうのは、「腰みの」です。




(画像1)E0828 02:18
 こちらは、E0828「ココヤシの葉の腰みのづくり」の一幕です。腰みのづくりでは、前回のように葉の構造をそのまま使うわけではなく、小葉のみを使うので、ココヤシの葉の太い葉脈がそのままキレイに残っています。これも何かに使えたら面白いですよね。まとめて縛ったココヤシの小葉は、更に細く引き裂かれて使われます。それにしても、こういった作業をする中で、自身の歯を使って糸や葉をかみ切る場面をよく見るのですが、慣れているのか、私たちよりずっと器用にやって見せます。コツがあるのかもしれません。


(画像2)E0828 06:48
 画像2は、先ほど集めたココヤシの葉を紐に結んでいる様子。紐の部分含めて、腰みのになります。そして、ここで使われている紐すらもココヤシの実の繊維質から作られたもの、恐るべしココヤシ。できた長い紐を足の指にひっかけ、腰に回して結んだあと、画像2のように、葉が紐にぶら下がるように括り付けていきます。二本をひとまとめにして、交互左右に向くように結んでいくのですが、最終的に、紐部分を山折りにするので、皆同じ方向を向くことになります。


(画像3)E0827 05:16
 画像3は、ココヤシの葉の代わりにスゲを使用したものになります。集められたスゲの見た目は日本のスーパーに並んでいる細ネギの様。タビトウェア環礁(Tabiteuea)では、水辺付近に生えており、ココヤシの葉と同じように、日光で乾燥させてから、紐に結び付けられていました。E0828「ココヤシの葉の腰みのづくり」では、2本で一組として紐に結ばれていましたが、スゲの場合は束をそのまま紐に括り付けます。


(画像4)E0827 06:43
 正直なところ、「あ、腰みのってこれのことか!」というのが、率直な感想でした。このブログでも、何回か登場していますね。ココヤシの葉で作られたものも、なんとなくイメージがつくのではないでしょうか。画像4は、実際に女性に着けてもらい、裾の長さをそろえている様子。刃物を使って、スゲの先が同じ高さになるように、切りそろえています。紐部分が、ウエストの位置に来ているので、調整も簡単そうですね。



 いかがでしたでしょうか。今までなんとなく目にしてきた腰みのでしたが、こうやって作られていたんですね。さらに島ごとに使っている植物も違ったりするので、これから映像を見るときは、そういった点にも注目できると、より楽しめるのかもしれません。次回は、樹皮布に関連する映像を紹介したいと思います。現代日本でもなじみの深い布ですが、樹皮布となると、関わる機会もなかなかありません。ご興味のある方は、是非次回もご覧いただければと思います。では。
(映像の百科事典 エンサイクロペディア・シネマトグラフィカhttp://ecfilm.net/filmlist/digital 

<参照URL>
”キリバス基礎データ”.外務省.https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/kiribati/data.html#section1,(最終アクセス日時 2019/10/08)

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